チェーンストアにおける
物流の適正化・生産性向上に向けた
自主行動計画
2023年12月21日
日本チェーンストア協会
いわゆる「物流の2024年問題」に対処するため、政府は「物流革新に向けた政策パッケージ」を取りまとめ、この施策の一環として、経済産業省・農林水産省・国土交通省では、「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を策定しました。
これを機に、官民を挙げて、物流の適正化・生産性向上に取り組むこととなりました。物流は国民生活の要であり、特に、地域の生活を支えるライフラインとして、多様な地域・業態・規模に展開するチェーンストアにおいては、サプライチェーン全体で連携して着実に持続的に取り組むことが求められています。
この「チェーンストアにおける物流の適正化・生産性向上に向けた自主行動計画」は、上記の「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」に基づき、 「フードサプライチェーン・サスティナビリティプロジェクト」等の議論との整合にも配慮しつつ、当日本チェーンストア協会を構成する会員特性に鑑み策定したものです。
当協会ならびに会員企業は、この自主行動計画に基づき、実効ある対策が前進するよう取り組むものといたします。
2023年12月
日本チェーンストア協会
本自主行動計画策定の考え方
この自主行動計画は、経済産業省・農林水産省・国道交通省の「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」における「実施が必要な事項」に基づき、チェーンストア業界として着実に取り組む事項や取組みの方向性・姿勢を明確にすることを目的に策定しています。この自主行動計画を踏まえて、会員企業ごとに具体的な取組みを進めるものとします。
物流業務については、トラック輸配送の改善を重点課題と位置づけ、チェーンストアにおける下記の物流業務を対象に整理しています。
物流業務 小売店舗での入荷業務物流センターでの出荷業務 物流センターでの入荷業務
発荷主 小売・卸 メーカー・卸
運送事業者 小売・卸の委託事業者 メーカー・卸の委託事業者
着荷主 小売店舗 小売物流センター・卸
なお、加工食品(常温商品)については、加工食品メーカー・卸売業・食品スーパーによる「フードサプライチェーン・サスティナビリティプロジェクト」等の先行する議論を踏まえ、特記している事項があります。
※自主行動計画における「荷待ち時間」について
「荷待ち時間」は、店舗や物流センターにおいて、トラックドライバーが受付してから荷卸し(または荷積み)を開始するまでの時間とし、開場時間前に到着し待機している時間や休憩時間は対象外とします。
本自主行動計画の構成
1.物流業務の効率化・合理化
(1)物流業務全体について
(2)小売店舗での入荷業務について
(3)物流センターでの出荷業務について
(4)物流センターでの入荷業務について
2.運送契約の適正化
3.輸送・荷役作業等の安全の確保
公式ページ(続き・詳細)はこちら
http://www.jcsa.gr.jp/public/data/20231221_JCA%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%81%AE%E9%81%A9%E6%AD%A3%E5%8C%96%E3%83%BB%E7%94%9F%E7%94%A3%E6%80%A7%E5%90%91%E4%B8%8A%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%9F%E8%87%AA%E4%B8%BB%E8%A1%8C%E5%8B%95%E8%A8%88%E7%94%BB.pdf
1.物流業務の効率化・合理化 (1)物流業務全体について
物流管理統括者の選定
• 物流の適正化・生産性向上の取組みを事業者内において総合的に実施す
るため、物流業務の実施を統括管理する者(役員等) を選任します。
• 物流管理統括者は、物流の適正化・生産性向上に向けた責任者として、販
売部門、調達部門等の他部門との交渉・調整を行います。
物流の改善提案と協力
• 取引先との商取引契約において物流に過度な負担をかけているものがない
か検討し、改善します。
• また、取引先や物流事業者から、荷待ち時間や運転者等の手作業での荷
積み・荷卸しの削減、附帯業務の合理化等について要請があった場合は、
真摯に協議に応じるとともに、自らも積極的に提案を行います。
1.物流業務の効率化・合理化 (2)小売店舗での入荷業務について
荷待ち時間・荷役作業等にかかる時間の把握
• 小売店舗への納品・入荷にかかるトラックドライバー等の荷待ち時間及び荷
役作業等(荷卸し・附帯業務)にかかる時間の把握に取り組みます。
荷待ち・荷役作業時間ルール
• 小売店舗への納品・入荷にかかるトラックドライバー等の荷待ち、荷役作業
等にかかる時間は計1時間以内とすることをめざします。
納品リードタイムの確保
• 取引先や物流事業者の準備時間を確保し、配送手段の選択肢を増やすた
め、協議の上、発注から納品までの納品リードタイムを十分に確保します。
• 加工食品(常温商品)については、卸売業から小売店舗への納品リードタ
イムは、
「定番発注の卸受信時刻は、納品日前日午前12時まで」
「特売・新製品発注の卸受信日は、納品日6営業日前まで」
を目標とし、実現に努めます。
荷待ち・荷役作業時間ルール
• 物流センターでの出荷にかかるトラックドライバー等の休憩時間を除く荷待
ち、荷役作業等にかかる時間は計2時間以内とすることをめざします。
出荷に合わせた生産・荷造り等
• 物流センターにおける出荷の庫内業務と配送業務の引き渡しルール化により
相互に負荷が偏らない運用を構築します。
運送を考慮した出荷予定時刻の設定
• 店舗配送を委託する場合は、1日の拘束時間と翌日運行開始までの休憩
時間を考慮した配送ダイヤグラムを設定します。
1.物流業務の効率化・合理化 (3)物流センターでの出荷業務について
1.物流業務の効率化・合理化 (4)物流センターでの入荷業務について
荷待ち時間・荷役作業等にかかる時間の把握
• 物流センターへの納品・入荷にかかるトラックドライバー等の荷待ち時間及
び荷役作業等(荷卸し・附帯業務)にかかる時間の把握に取り組みます。
荷待ち・荷役作業時間ルール
• まずゼロステップとして、附帯作業の定義(認識)を取引先・物流事業者
と合わせます。
• 第一ステップとして、物流センターで恒常的に2時間以上の荷待ち・荷役作
業時間が発生している場合は、取引先、物流事業者と連携して、時間短
縮を図ります。
• 第二ステップとして、1時間以内をめざします。
1.物流業務の効率化・合理化 (4)物流センターでの入荷業務について
納品リードタイムの確保
• 取引先や物流事業者の準備時間を確保し、配送手段の選択肢を増やすた
めに、発注から納品までの納品リードタイムを十分に確保します。
• 加工食品(常温商品)については、メーカーから在庫型の物流センターへ
の納品リードタイムは、「納品日前々日の発注締め」を目標とします。
パレット等の活用促進
• 物流センターへの納品・入荷にかかる荷役時間等の削減のため、パレット等
の活用について、積極的に提案を行います。
2.運送契約の適正化
運送契約の書面化
• 店舗配送等の運送業務を委託する場合は、運送事業者と契約書・覚書を適切に
締結します。
荷役作業等にかかる対価
• 店舗配送等の運送業務を委託する場合は、当該荷役作業等にかかる適正な料金
を対価として支払います。また、物流センターへの納品業務において、運送事業者に
適正に荷役作業料等が支払われるよう、取引先と真摯に協議・協力します。
運賃と料金の別建て契約
• 店舗配送等の運送業務を委託する場合は、運送以外の役務を要する事項は、書
面化を図り、適正な料金を支払います。
燃料サーチャージの導入・燃料費等の上昇分の価格への反映
• 店舗配送等の運送業務を委託する場合は、物流事業者からの燃料サーチャージの
導入や燃料費の上昇・高速道路料金実費の料金反映について相談があった場合
は、真摯に協議し、改定内容の書面化を図り、適正な料金を支払います。
下請取引の適正化
• 店舗配送等の運送業務の委託において、元請物流事業者が下請に出す場合には、
多重下請構造が適正な運賃等の妨げになることのないよう留意します。
3.輸送・荷役作業等の安全の確保
異常気象時等の運行の中止・中断等
• 異常気象の発生または発生見込みの場合は、無理な運送依頼を行わない
よう留意し、物流事業者が運行中止を判断した場合は、これを尊重します。