令和6年1月 17 日に、令和6年能登半島地震による被害を踏まえた「貸金業法施行規則の一部を改正する内閣府令」が公布・施行され、金融庁から別添「令和6年能登半島地震による被害を踏まえた貸金業法施行規則の一部改正について」のとおり周知要請がありました。
貸金業者代表者の皆さまにおかれましては、今回の貸金業法施行規則改正の趣旨及び金融庁から示された貸金業法施行規則の解釈をふまえ、被災者の皆さまの資金需要や条件変更の申し出などに適切に対応して頂きますよう、役職員の皆さまへの周知をお願いいたします。
金 企 市 第
1 2 号
金 総 政 第 1 2 5 号
令 和 6 年 1 月 1 7 日
日本貸金業協会
会長 倉中 伸 殿
金融庁企画市場局長 井藤 英樹
金融庁総合政策局長 油布 志行
令和6年能登
半島地震による被害を踏まえた貸金業法施行規則の一部改正について
貸金業法に基づく規制は、多重債務者の防止をはじめ借入者の保護を図ること等
を目的とするものですが、他方、令和6年能登半島地震の被災者が、貸金業者から、
返済能力を超えない借入れを行おうとする場合に、例えば特定の書面を用意できな
いなど、法令に定める手続等が問題となって、本来なら借りることができる資金を
借りられないという不都合が生ずるおそれがあれば、これを取り除く必要があるこ
とから、別添1のとおり内閣府令の見直しを行い、本日公布、即日施行いたしまし
た。
つきましては、各会員の皆様に本改正を周知いただくとともに、適切に対応して
いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
なお、本改正のほか、被災者の方々の資金需要に適切に対応いただくにあたり参
考となると考えられる内閣府令に係る考え方を別添2のとおりまとめましたので、
併せて各会員の皆様に周知いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
○内閣府令第二号
貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)の規定に基づき、及び同法を実施するため、貸金業法施行規則
の一部を改正する内閣府令を次のように定める。
令和六年一月十七日
内閣総理大臣
岸田
文雄
貸金業法施行規則の一部を改正する内閣府令
貸金業法施行規則(昭和五十八年大蔵省令第四十号)の一部を次のように改正する。
次の表により、改正後欄に掲げるその標記部分に二重傍線を付した項を加える。
改
正
後
改
正
前
附
則
附
則
[1~7
略]
[1~7
同上]
(令和六年能登半島地震に伴う貸付けに関する特例)
8
個人顧客が令和六年能登半島地震に際し災害救助法が適用された
[項を加える。]
同法第二条第一項に規定する市町村の区域に住所又は居所を有する
者(次項において「特例対象者」という。)である場合における次
の表の上欄に掲げる規定の適用については、令和六年七月三十一日
までの間は、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ
同表の下欄に掲げる字句とする。
第十条の二
三月
六月
十三第一項
第二号の二
ハ
第十条の二
事業計画、収支計画及び
営む事業の状況、収支の
十三第一項
資金計画(この号に掲げ状況及び資金繰りの状況第四号ロる契約に係る貸付けの金額が百万円を超えないも
のであるときは、当該個人顧客の営む事業の状況、収支の状況及び資金繰りの状況。以下同じ。)
第十条の二
書面
書面又は当該特定緊急貸
十三第二項
付契約の相手方である個
第二号の二
人顧客から申告を受けた
ロ
当該費用の見積額を記載
(2)
した書面
第十条の二
事業計画、収支計画及び
営む事業の状況、収支の
十三第二項
資金計画
状況及び資金繰りの状況
第四号ロ
第十条の二
一月
六月
十六第一項
第十条の二
三月
六月
十八第一項
第一号ハ
第十条の二
事業計画、収支計画及び
営む事業の状況、収支の
十八第一項
資金計画
状況及び資金繰りの状況
第三号ロ
9
貸金業者が貸金業法施行規則の一部を改正する内閣府令(令和六[項を加える。]年内閣府令第二号)の施行の日から令和六年七月三十一日までの間
に、特例対象者である個人顧客との間で第十条の二十三第一項第三
号に掲げる貸付けに係る契約を締結した場合において、当該個人顧
客が同条第二項第三号イに掲げる書面を提出することができないと
きは、同項の規定にかかわらず、当該貸金業者は、当該貸付けに係
る契約を締結した日から六月を経過する日までの間は、当該書面に
代えて、当該書面を提出することができない理由を記載した書面を
保存することができる。
備考
表中の[
]の記載は注記である。
附
則
(施行期日)
1
この府令は、公布の日から施行し、この府令による改正後の貸金業法施行規則(以下「新規則」という。)附則第八項の規定(同項の表第十条の二十六第一項の項に係る部分に限る。)及び次項の規定は、令
和五年十一月二日から適用する。
(調整規定)
2
貸金業法第十三条第三項に規定する個人顧客が新規則附則第八項に規定する特例対象者である場合にお
いては、令和六年七月三十一日までの間、貸金業の規制等に関する法律施行規則の一部を改正する内閣府
令(平成十九年内閣府令第七十九号)附則第九条の二の規定は、適用しない。
総量規制の例外となる貸付けに係る貸金業法施行規則の規定について
○ 貸金業法施行規則第 10 条の 21 第1項第1号及び第2号に定める契約
同条第2項第1号において保存義務が課せられている「不動産(借地権を含む。)売買契約書又は建設工事の請負契約書その他の締結した契約がそれぞれ同項第一号又は第二号に掲げる契約に該当することを証明する書面」については、
売買契約書や請負契約書はあくまでも例示であって、こうした正式な契約書は必
ずしも必要ではなく、締結した契約が不動産の建設資金等に必要な資金の貸付け
に係るものであることを証する書面(領収書、請求書等)であれば足りる。
○ 貸金業法施行規則第 10 条の 23 第1項第2号の2に定める契約
同条第4項第2号に定める「社会通念上緊急に必要と認められる費用」には、
一般に、令和6年能登半島地震の被災者の方々の生活費等についても含まれると
解される。
○ 貸金業法施行規則第 10 条の 23 第1項第4号に定める契約
同条第2項第4号において保存義務が課せられている「第十条の十七第一項第四号の確定申告書、同項第五号の青色申告決算書、同項第六号の収支内訳書又は同項第七号の納税通知書その他の当該個人顧客の営む事業の実態を確認したことを証明する書面」については、ここに列挙されている確定申告書等はあくまで
も例示であって、こうした正式な証明書面は必ずしも必要ではなく、何らかの方
法で、貸金業者が当該個人顧客の営む事業の実態を確認し、その旨を記録・保存
すれば足りる。